2010年12月21日火曜日

与那国海底遺跡

前々から気になっていた与那国海底遺跡についてちょっと考えてみました。
なんとなく、グスク時代の城が、地殻変動などで沈んだのかな、と思っていましたが、調べてみるとどうもそうでもないみたいですね。

少なくとも遺物がない時点で、祭祀にしろ居城にしろ、沈没した遺跡と考えるのは難しいのかな、というのが結論です。
考古学では特に自然物と人工物の見極めをしないといけないことが多くあります。

自然に割れて石器みたいに見える物、
根っこの跡に鉄分が沈着して固まって釘みたいに見える物、または根っこの跡が柱穴に見えるとき、
地中のカビが模様みたいに見えるとき、
大昔の河川の流れで動いてできた、石列みたいに見えるところ、
調査区の壁から落ちてきた、上層のガラス片などを誤って踏んでしまい、雨の日の後などに遺物として取り上げてしまいそうになるとき、
地中の酸素濃度によって土が灰色になったりした範囲が、人がほった物と誤認しそうになるとき、
硯に自然についた傷が文字みたいに見えるとき、

細かいことが沢山ありますが、そういったエラーをなくすところから、遺跡調査が始まります。
疑わしいところを排除して、確定できるところで勝負するのが大事です。

で、考古学的な立場からすると、やはり与那国海底遺跡なるものは、与那国島海底地形となるわけで、
でも別に遺跡ではないと言い切れるわけでもなく、今後遺物の発見があったり、石に加工の跡が見つかったりすればまた考えを改めるわけで。

新しい結果が出たらそこから仮説をたて、その積み重ねで、一番もっともらしい結果を導くのが科学的なんじゃないかなと考えました。



与那国海底地形 - Wikipedia




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