考古学というとだいぶ知名度が高く、けっこう知られている言葉だと思います。
ですが、その実態はというと、だいぶ違った形でかかれることが多いようです。
まず、インディー・ジョーンズ。
考古学者のイメージというと、やはりコレでしょう。古代遺跡を冒険して悪党と戦っちゃいます!
でも、実際の考古学者でインディー・ジョーンズと同じ経験をしている人は、私は知りません。
沖縄のジャングルで、ハブが出てこないようにと現地の研究者の方に追い払い方を教えてもらって森を抜けたときくらいしか、冒険らしき経験はしていません。
あと現場で出てきた蛇を捕まえて逃がすとか、スズメバチの巣を夜中に駆除するとか、盗掘者の見回りにいったこととか、まあ大体、人生でみんな経験することでしょう。
となりのトトロのサツキとメイのお父さん。彼も考古学者です。32歳ということでした。糸井重里さんが声をやっているそうです。
彼は考古学者の正確なイメージを表現しています。非常勤講師をしていて翻訳の仕事もして生活費をかせぐ、という辺りも忠実であると思います。
最近「ラブひな」を読みましたが、主人公の男の子は最終的に考古学者になりました。
まあ漫画なんでいいんですけど、インディー・ジョーンズのイメージに近いです。
「高校デビュー」の小宮山ヨウは、最終的に恐竜の仕事を目指して大学に行きました。恐竜の仕事は「古生物学」で「考古学」ではないのですが、話の中で「史学なんだけど理系との連携もある」という発言があって、もしかしたら考古学と誤認しているのかも?と思いました。
「遺跡の発掘の仕事をしている」というと、よく「恐竜はでるかい?」と聞かれることが多々あります。
恐竜の発掘は「古生物学」
遺跡の発掘は「考古学」です。
最近は言い直すの元気もなく、「まあ出ないですねー」と流してしまいます。
恐竜の化石とかアンモナイトとかが出てくる古生物学は、れっきとした生物学で、理系です。史学ではなく、対象とする時代も億年単位の古い時代です。
考古学は人類の歴史を対象にしているのでせいぜい100万年単位の事柄を調べます。ちなみに史学といった場合は、文字資料が出てくる数千年単位の時代に限られ、それ以前の猿人、原人、旧人と新人の大部分の時代は「人類学」になってこれも史学ではありません。
で、人類学的考古学(先史学)と、歴史考古学という風に分けられます。分け方は色々ありますのでWikipediaの
考古学を参照してください。普通「Archaeology」というと先史学のことになります。
で、これから考古学者を目指す若者へ。
・トリケラトプスやティラノサウルスが掘りたければ、古生物学へ行きましょう。ただしアカンバロ土偶は人の手が加わっているものなので考古学です(贋作でなければ)。
・スリルを味わいたければ探検家になりましょう。
・化学分析、民俗学(フォークロア)、民族学(エスノグラフィー)、地質学、地理学、文献史学など関連分野が沢山あります。逆にそちら側からのアプローチもありますので、考古学専攻でなくても考古学をやることは可能です。