また、長い長い年月が過ぎた。命は分かれて、地表にはびこっていった。 あるときまでは、私の魂の分身だった命。 いつしか、魂だけでなく、個々が意識を持ち始めた。 特に、ヒトの心は、言葉でもって形作られ、受け継がれ、意識は本来の魂の色を凌駕していくようになった。 最初は、子供に道具の作り方を教えるための言葉だったにすぎない。 それが、いつしか文字になり、教えになり、法律になり、人々を形作る意識の世界そのものになった。 私の胎内から生まれたにすぎない、魂の分身たちは、それぞれに意識を持ち、言葉を、文字を操り、哲学を生み出し、言葉でもって世界を定義していった。 私はあなたである。あなたは私である。 何の違いがあろうか。 同じ胎内から生まれ、続いている命。 魂の分身にすぎない私たち。 心は体が生み出す作用。 魂とは別物なのだ。 体が喪われても、魂は私のもとへ、宇宙のもとへ還るのみ。 作用による心、哲学、科学などは、些末なことでしかない。 全て、重きものへと繋がる、魂の連鎖の中の部分でしかない。 それでも、今の一瞬を生きようと懸命なる心たちよ。 いつしか魂のもとへ還る刹那の現象よ。 私はなによりもそれを美しく思う。 広い宇宙の中で、儚いこらこそ輝く命の輝きは、心のもとにあるのだろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿